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よもやまコラムYOMOYAMA COLUMN

海外暮らし

日本人の私も移民

P Vivre a etrabger.jpg「移民」という言葉を聞くと、まず先に紛争地や災害を受けた土地から避難してきた人々のことが頭に浮かぶ。ニュース等でも報じられるし。。そして確かに今欧州ではアラブ、アフリカ諸国からの移民の受け入れが大きな問題の1つとなっている。



紛争地から避難してきた人々のことついて一番身近に感じたのは、シリア人留学生の女の子が研究室の仲間にいた時だった。彼女の故郷の町は紛争の真っ只中で日々爆弾がバンバン飛んでくる状況だそうだ。彼女は留学生としてフランスで暮らしていたが、そのお兄さんは難民として欧州に渡りベルギーの施設でこれから住める国の割り当てを待っていると聞いた。そして彼女のお父さま、高齢で車椅子生活なので心配になった彼女はお父さまをパリに呼び寄せたが・・・・。結局数週間滞在した後「もうここは嫌だ。爆弾に当たってもいいから自分が住んでいた国で一生を終えたい」とシリアに戻ってしまった。


と、こんなリアルに厳しい「移民」の姿もあるが、思えば日本人の私もフランスでは移民だ。
日本人の移民といえば昔、例えばペルーなど南米に渡り代々住み続け、今では第何世というその子孫がいるような形をイメージしやすい。けれどそれは現在でも同じ。「移民」という言葉は海外の国に長く住んでいる人たちにも当てはまる。



国や世界機構などで決められている移民の定義は様々とのこと。それを鑑みざっくりみると旅行者や短期留学生、期日のある赴任者などは「移民」のカテゴリーには入らないだろう。しかし母国とは違う国で数年以上生活し、またこれからもそこで暮らしていくつもりの人たちは現在の日本人でも移民となる。


そう、確か管轄地域の移民オフィスに10年ごとに更新する滞在許可証をもらいに行った時だったか、手続きの最後に「フランスでの生活」といったようなビデオを観る流れになっていた。ビデオではフランスという国の位置、気候、政治、社会、文化などが簡単に紹介されていた。その中で記憶にあるのが「フランスは冬は寒いです。寒くないように長袖や上着などを着て過ごしたり出かけたりするようにしましょう」というフレーズであった。


なるほど、日本はフランス(海外県を除いてみた場合)と同じ北半球にあり緯度もまあまあ近いところにある。どちらも温帯気候である。そして寒そうだったらたくさん着るなどの感覚もある。けれど、移民となる人たちに見せるビデオでそんなことが言われているということは、やはりこれまでこういうことを気にかけずにいた人たちがいるのだろうな、と推測した。緯度が低い地域、乾燥帯や熱帯からきた人たち、そして結果的に来ることになったヨーロッパの情報などを知らなくてもこれまで自分のいた土地で過ごせていた人たちなど。


そんなことを思いながらそのビデオを観ていた時「うん、日本人、アラブ人、アフリカ人、東欧人、その他のところから来た人たちも含めみ〜んな一緒にこのビデオを観てる。そしてこれを観て移民としての手続きが終わる。元の国は違ってもみんな一緒なんだ」と感じた。

文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)

No:Y20190805-01