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再使用型のロケット段テミス:仏ヌーヴェル=アキテンヌ地域圏の中小企業も参加

P20200831 Prometheus.jpg2020年10月12日、フランスのヌーヴェル=アキテンヌ地域圏(フランス南西部)は、同地域圏の中小企業10社ほどが、欧州が進める再使用型のロケット段テミス(Themis)プロジェクトに参加することになったと発表した。

テミスは非常に低価格の再使用型ロケット第1段実証機で、アリアングループ社が開発している液体酸素・メタンを推進剤に利用するプロメテウス・エンジンを搭載するものである。

これは仏国立宇宙研究センター(CNES)とアリアングループ社が共同で作った開発推進プラットフォーム「アリアンワークス」が取り組んでいるプロジェクトで、その設計研究段階は2019年の欧州宇宙機関(ESA)の閣僚会議で承認されESAプログラムになった。

テミス・プロジェクトへのヌーヴェル=アキテンヌ地域圏の中小企業の参加は、2020年10月9日に行われた同地域圏とアリアングループの第2回戦略的協力会議で詳細が話されたとのこと。この会議には同地域圏議会の議長やアリアングループのルセルCEOも出席した。

テミスのフィージビリティ研究を行うのは、AIを用いたロケットのデータ処理の自動化に取り組むDelfox社、複雑な輸送に用いる飛行船を開発するFlying Whales社、革新的塗料を提供するOliKrom社、ロケットの段の安全確保オペレーションのためのロボットを設計するShark Robotics社、非侵入型技術による材料の表面のチェックを実証するTouch Sensity社などである。



ソース:ヌーヴェル=アキテンヌ地域圏(12/10/2020)、A&C(14/10/2020)

文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)

No:N20201015-02