posted: 2020/10/22
update: 2020/10/22
2020年10月22日、イギリス宇宙機関(UKSA)およびロッキード・マーチンUK社は、スコットランド シェトランド諸島の北部にあるアンスト島にロケット打上げオペレーションのできるシェトランド宇宙センターを建設すると発表した。
イギリス政府は、イギリス国内における小型衛星打上げ能力を保有し高めていくためのLaunch UKプログラムを展開している。
その一環でスコットランドのハイランド地方北部にスペースポート「スペース・ハブ・サザランド」は小型衛星打上げもできる航空宇宙複合エア・スペース・ポートとして計画され準備が進められている。(フラスペ ニュース 2020 年8月22日付「スコットランド:スペース・ハブ・サザランド、計画の承認を得る」https://www.france-space.com/news/post-24.html 参照)
またイギリス南西部のコーンウォールにはヴァージン・オービット社と協力して水平離陸・航空機発射型のロケットによる小型衛星打上げができるように施設を整える計画がある。
そしてシェトランド宇宙センターも同じくLaunch UKのプログラムを実践していく施設として新たに追加されることになった。同日(2020年10月22日)ロッキード・マーチンUK社も、受託しているイギリスの6ユニット・キューブサットプログラムのUK Pathfinderの打上げをシェトランドに作る新しい施設から行う計画にOKが出たと発表している。
シェトランド宇宙センターは2024年に運用開始予定で、稼働し始めればスコットランドの人々の雇用数605を創生し、また製造・支援分野では150の新たな雇用を生み出すと見込まれている。
一方、スペース・ハブ・サザランドでは、引き続きハイランド開発公社(HIE)そして、そこでの事業を計画しているオーベックス社は打上げ施設の整備・準備を続けていくとのこと。
ソース:UKSA、Lockheed Martin UK(22/10/2020)
文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)
No:N20201022-01
運営者 PROFILE
フランスの大学院で仏欧宇宙産業政策を学び、その後現地で同分野の調査研究に従事。フラスペを立ち上げ「フランス・欧州宇宙分野」をメインに情報を発信。
宇宙業界のほか航空、科学・技術・イノヴェーションに関する政策・動向の調査研究なども手がける。また在仏日系企業や日本人家庭のヘルプ業務も受託。