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航空のCO2排出ゼロの取組み2件:DLR 白書、エアバスのZEROeのパートナシップ合意

P20201020 Aurbus Zeroe.jpg欧州の航空分野でのCO2排出ゼロに関する情報2件です。

DLR(ドイツ航空宇宙センター) のゼロ排出航空白書

2020年10月14日、DLRとBDLI(ドイツ航空宇宙工業会)は「ゼロ排出航空(Zero Emission Aviation - Emissionsfreies Fliegen)」という白書を、ドイツ連邦経済エネルギー省(BMWi)に提出した。

これは全ての種類の航空機においてCO2排出量がゼロになるために行われている現在の技術研究について全体をカバーし、内容を詳細までまとめた報告書である。

同白書は全ての種類の航空機においてCO2排出量がゼロになるためには、持続力のある燃料、新しいコンフィギュレーション、燃料電池技術、様々なハイブリッド推進ソリューション、新しいガスタービンのコンセプトなどの技術の更なる開発が組み合わさって可能になるとしている。

また、2050年までのCO2排出量ゼロ航空のためには科学、産業、政府の強い協力が必要だと書いている。


エアバスのZEROeのパートナシップ契約

2020年10月14日、エアバスはドイツのエルリングクリンガー社(ElringKlinger AG)と燃料電池に関する長期パートナーシップ合意を結んだ。エルリングクリンガー・グループは自動車部品分野を中心に事業を行なっており、燃料電池の部門では20年以上の実績をもっている。

合意はエアバスが2020年9月に発表したエアバスZEROe(ゼロイー)プログラムに関する協力を目的としている。エアバスのZEROeプログラムとは2035年までにCO2排出量ゼロの商業用航空機の開発を目指すものである。エルリングクリンガー社はそのために水素燃料電池の技術を提供する。

この合意を受け、今後両社は合弁企業を設立し、プログラムを進めていく予定である。


ソース:DLR(14/10/2020)、エアバス(15/10/2020、ZEROeのページ)、ElringKlinger AG(14/10/2020)

文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)

No:N20201020-01