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プレセツクからソユーズ-2打上げ:UAEの衛星の続報とその他ペイロード (ESAのARTESプログラムの衛星もあり)

P20200929 ExoLaunch.jpg2020年9月28日、ロシアのプレセツク宇宙センターでソユーズ2.1ロケットによる衛星打上げミッションが行われ、ロシアのGonets-M通信衛星3機のほか19機のマイクロ衛星、ナノ衛星が軌道に運ばれた。

その中には1つ前のフラスペ・ニュース「アラブ首長国連邦(UAE)、宇宙センターの2021-2031年戦略を発表(28/09/2020)」で、まさに今(2020年9月末)打上げが予定されると紹介したUAEのカリファ大学のMezn Satも含まれている。


19機の相乗り衛星のうち15機はベルリンを本拠地とするExoLaunch社が提供するライド・シェア・サービスを利用している。ExoLaunch社はベルリン工科大学宇宙技術学部の研究者やエンジニアらによって2010年に立ち上げられたスタートアップ企業である。同社は2013年の最初のミッション以来、ソユーズ(ロシアからのミッションに加えギアナ宇宙センターのミッションも含む)、エレクトロン、ファルコン9のロケットでライドシェア・サービスを行ってきた。

ExoLaunch社が扱った15機は以下のようになる。
・ケプラー・コミュニケーションズ社(本社トロント)の衛星通信用ナノ衛星2機
・スパイア・グローバル社(スパイア社の本社はサンフランシスコ、開発製造はスパイア・グローバルUK社:本社グラスゴー)の海運モニターのためのナノ衛星4機
・カリファ大学のキューブサットで温室効果ガスのモニタリングをするMeznSat
・ベルリン工科大学のアマチュア無線電波研究のためのマイクロ衛星SALSAT
・ヴュルツブルク・テレマティクス・センターの衛星自動編成技術の研究のためのナノ衛星NetSat4機
・重量100kgクラスの地球観測衛星2機(顧客未発表)
・欧州企業のIoTのためのナノ衛星1機(顧客未発表)

グラスゴーのスパイア・グローバルUK社の衛星はスーパーコンピュータ、機械学習アルゴリズムなどの技術が用いられいる革新的なもので、開発プロジェクトにはイギリス宇宙機関(UKSA)による1000万ポンド以上の補助金が投入されている。また同プロジェクトは欧州宇宙機関(ESA)先端技術プログラムARTESの中のパイオニア・プログラムに挙げられ、UKSAとESAの協力を受け開発が行われた。


ソース:ExoLaunch(28/09/2020)、UKSA(28/09/2020)、TASS(28/09/2020)

文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)

No:N20200929-01