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EU/ESA宇宙会議:世界宇宙経済における欧州の役割

P20201112 EU.jpg2020年11月20日、オンラインでEU/ESA宇宙会議が行われた。これはEU理事会と欧州宇宙機関(ESA)の閣僚級のメンバーが出席し、欧州宇宙政策において共同して行う活動の調整について話し合うハイレベル会議である。

(フラスペ ニュース2020年11月12日付け「欧州連合理事会、世界宇宙経済における重要点をまとめ、それを採択」https://www.france-space.com/news/post-41.html 参照)

会議は世界宇宙経済における欧州の役割が第1の主題に取り上げられ、各国の担当大臣らは事前に予備ミーティングを行い、いかにEUが欧州の宇宙産業の競争力を強化でき、またいかにこの分野の国際規定の確立において重要な立ち位置につけるかについて話し合いをした。

その中で欧州の他に頼らない宇宙へのアクセス、宇宙アプリケーションのデータのAIやテレコム、エネルギー、輸送、農業、災害対策・対応、気候変動対策をはじめとする幅広い利用、ガリレオ、コペルニクスは素晴らしいので続けて努力していくことが大切なこと、宇宙運行マネージメントやサイバーセキュリティ、など様々な分野でのEUの役割の重要性が挙げられた。

そしてそれら部門で欧州が強くなるためにも、今後も欧州が結束し、EUとESAがそれぞれの機関の特性をリスペクトしながらも共通の宇宙戦略をとっていくことが必要であると話された。

最終的にはEU理事会が準備していた文書の「世界の宇宙経済における重要な方針の確立のための欧州の貢献についての方向性(Orientations on the European contribution in establishing key principles for the global space economy)」が会議の決議文として採択された。

しかし、この会議の結果について相変わらずだという評価も見られる。宇宙業界の専門家のサイトSpace Intel Report (購読有料サイト)は以下のように表現している。(情報は無料でも読むことができる冒頭の部分のものです。)

誰もが結束してより強くと言っているが、ロケット調達ではEUとESAの方針に一貫性が全く見られないまま続いている、会議は「決議文の採択」レベルで終わった。何ヵ月も話し合ってきたEU-ESAの協力に関する枠組み合意の署名は成らなかった、と書いている。


ソース:ESA、EU(20/11/2020)、仏ヨーロッパ・外務省、Space Intel Report(23/11/2020)




文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)

No:N20201124-01