posted: 2020/11/18
update: 2020/11/18
1つ前のフラスペ ニュースで「ヴェガ、今晩打上げ予定(仏領ギアナ時間):スペインとフランスの地球観測衛星2機」でヴェガ・ロケットのフライト番号VV17のミッションを紹介しました。今回はその結果の話です。
2020年11月16日(CSGギアナ宇宙センター時間)、アリアンスペース社はヴェガ・ロケットによるスペインのSEOSAT-Ingenio衛星とフランスのTARANIS衛星2機の打上げミッション(フライト番号VV17)を実施したが、衛星2機の軌道投入には至らなかった。
打上げから8分後、第4段で複数回点火をしながら衛星を軌道に運ぶAvum段の最初の点火のすぐ後、軌道がそれていることがわかった。
アリアンスペース社は、16日はミッションが達成しなかったことを発表し幕を閉じた。
その後アリアンスペース社、Avio社、仏国立宇宙研究センター(CNES)、欧州宇宙機関(ESA)は事態の把握のためテレメトリデータをできるだけ調べ、17日、アリアンスペースは調査の初見を述べた。
初見によると、不具合の原因は第4段Avumのノズル稼動システムの統合に関連しているだろうとのこと。今後はプロトコルにのっとり、アリアンスペース、ESAが指揮を執る調査委員会が詳細な原因を追求していく。
ヴェガ・ロケットは2つ前の2019年7月のフライトVV15で搭載衛星を軌道に投入することができなかった。その次のVV16は2020年9月初旬で、欧州が販路開拓で力を入れている小型宇宙機ミッション・サービス(SSMS)を用いた初フライトとなりヴェガはミッションに成功していた。
ソース:アリアンスペース(16、17/11/2020)、A&C(17/11/2020)
文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)
No:N20201117-01
運営者 PROFILE
フランスの大学院で仏欧宇宙産業政策を学び、その後現地で同分野の調査研究に従事。フラスペを立ち上げ「フランス・欧州宇宙分野」をメインに情報を発信。
宇宙業界のほか航空、科学・技術・イノヴェーションに関する政策・動向の調査研究なども手がける。また在仏日系企業や日本人家庭のヘルプ業務も受託。