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欧州宇宙業界、9年ぶりの後退:ユーロスペース協会年次業界分析

P190623 satellite eurospace.jpg2019年6月11日、ASDユーロスペース協会がヨーロッパの宇宙産業についての2018年業界動向レポート(Facts and Figures 2019 edition)を発表した。

ASDユーロスペース協会はパリに本部を置く欧州の航空宇宙防衛産業のためのNPO団体で、仏航空宇宙工業会(GIFAS)よりも小規模であるが、特に宇宙分野を専門として扱っている。

同レポートでは、業界売上高は前年度比マイナス3%の84億8千万ユーロが算出されていた。2009年以来9年間上向きに推移していた業界売上高だが、ここにきて小幅だが減少を記録する結果である。レポートではその数字は商業市場、輸出市場の落ち込みが原因としている。ただ商業市場は輸出市場よりも耐性があるとの分析がされている。

しかしその背景には欧州の宇宙業界の経済システムの構造がある点を指摘している。欧州はロケット打上げサービス市場では商業市場での受注が政府系機関のそれよりも割合が大きい。そして商業市場は予測できない点でそこでの業績の振れ幅も多いという脆弱性がある。またロケット打上げは包括的にサービスを提供するため、衛星製造業、衛星データ取扱業など宇宙業界サプライチェーン全体にその影響を及ぼすものである。これらの理由からロケット打上げサービスにおいて商業市場に頼る構造は盤石のものではない、と分析されている。

近年商業市場は欧州宇宙機関(ESA)やEUからの発注額は顕著な伸びを示しているが、しかし不確定な商業市場の動きによってそれが相殺されている結果となっている。レポートでは今までもこれからも国・EU等政府系機関のより強い支援が必須である点が指摘されている。


ソース:レゼコー、ASD-Eurospace(11/06/2019)

文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)

No:N20190623-01