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アリアン6上段の技術改良研究の契約

P190516 Phoebus.jpg2019年5月14日、欧州宇宙機関(ESA)はアリアングループ社およびMTエアロスペース社とアリアン6ロケット上段の技術改良のための研究プロジェクトに関する契約を結んだ。アリアングループはアリアン6のプライムコントラクタであり、MTエアロスペースはOHBグループ傘下のサプライヤである。

このプロジェクトの目的は、これまでアルミ金属で作られてきたロケット上段を、炭素複合材を用いることによってコスト削減と打上げ能力の向上を図ろうというものである。研究チームはPhoebus (Prototype of a Highly OptimisEd Black Upper Stage)と命名された新しい上段の実証機を製作し2022年には地上で燃焼試験を行う予定。そして2025年には導入に持っていきたい考えである。

このプロジェクトはESAの将来ロケット準備プログラム(FLPP)で進められているものである。またこの研究がスタートすることはアリアン6のアップグレード版アリアン6E(EはEvolution)の上段Iacrus(Innovative Carbon Ariane Upper Stage)の開発に道を開くことになるだろう。炭素繊維強化プラスチックの上段開発の今後の予算については2019年11月のESA閣僚級会議で決定されるだろう。


ソース:ESA(14/05/2019)、アリアングループ(14/05/2019)

文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)

No:N20190518-01