posted: 2020/08/09
update: 2020/08/09
アリアンスペース社は2020年8月14日をターゲットにアリアン5フライト253(VA253)を打上げる予定だと発表した。日本時間では打上げウィンドウは15日午前6時33分-7時20分。顧客衛星はインテルサット社のGalaxy 30、スペース・ロジスティクスLLC社の運用期間延長衛星MEV-2、日本のBSATのためのマクサー・テクノロジーズ社のBSAT-4bである。
同社はCovid-19の影響で3月末にバイコヌール射場からのソユーズ・ロケットでOneWeb衛星群のミッション以来、打上げを中断していた。また6月には小型のヴェガ・ロケットの打上げミッションも計画されていたが、上空の悪天候が原因で延期となった。
今回のアリアン5のVA253も7月28日、次いで7月31日と打上げ準備が進められていたが、補完的な機器検査が必要なため延期となっている。8月14日にVA253が行われれば約5ヵ月ぶりの打上げミッションとなる。
フランスのレゼコー紙によれば、この打上ミッション中断期間のため、年頭に掲げた2020年は11回の打上げミッションを行うという目標は達成不可能になったという。また2020年末に予定していたアリアン6の初打上げも2021年の後半にずれ込むことになるとのこと。同紙は今年のアリアンスペース社の売上高は25%減と報道している。一方で同社のイズラエル社長の、その分アリアン6による2021年、2022年のミッションが忙しくなりそうだ、またソユーズにとってはOneWeb衛星群の打上げ再開の発表が喜ばしいというコメントを掲載している。
ソース:アリアンスペース社(21/03/2020、28/06/2020、31/07/2020、03/08/2020)、レゼコー(03、04/08/2020)
文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)
No:N20200809-01
運営者 PROFILE
フランスの大学院で仏欧宇宙産業政策を学び、その後現地で同分野の調査研究に従事。フラスペを立ち上げ「フランス・欧州宇宙分野」をメインに情報を発信。
宇宙業界のほか航空、科学・技術・イノヴェーションに関する政策・動向の調査研究なども手がける。また在仏日系企業や日本人家庭のヘルプ業務も受託。