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解説・特集COMMENTARY / FEATURE

特集1

フランス、欧州の宇宙分野の特徴・興味深い点(6)やめられないオートノミーへの努力、代表例1、ガリレオ:裏記事

P190321 Galileo.jpg頓挫する可能性もあるかと思われた時期もあったガリレオだが、ようやく形になり始めた。今後の注目したい点は、欧州自体も躍起になっているGNSSのプロダクトやサービス市場にどれだけガリレオが食い込んでいけるかの点とBrexitによる影響であろう。

ガリレオのFOC衛星(完全運用版:Full Operational Capability)はドイツのOHB社がプライム・コントラクタとなっており、そのOHB社はエアバス・グループの傘下でもあるイギリスのSSTL(サリー・サテライト・テクノロジー社: Surrey Satellite Technology Ltd)に衛星の重要な部分であるペイロードの製造を卸している。

OHB社は2018年10月2日、EUからガリレオの実現と運用責任を任されているESA(欧州宇宙機関)およびSSTLとBrexitの影響を最小限にとどめる努力をするという合意を結んだという。一方でイギリス政府はガリレオでなく100%イギリスのGNSSの構築について取組み始めたという話も伝えられている。今後の動向を追っていきたい。

文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)

No:D20190323-06