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SCO - 宇宙気候観測機関(2):気候変動問題に取り組むための国際協力構造

P20200909 Terre.jpg1つ前のフラスペ 解説・特集「SCO - 宇宙気候観測機関(1):気候変動問題に取り組むための国際協力構造」で、SCOの概要と発足までの経緯を書きました。後半の今回は、SCOプログラムの構造や組織などを紹介します。


取組みの狙い

SCOの気候変動問題への取組みが目指すものは「観測」、「追跡」、「適用」の3つの大きな柱があります。その内容は以下のようになります。
・観測とは、気候変動をデータでとっていくことです。大気中CO2、地球の気温、雲の様子、それらの急激な変化、海面レベル、干ばつや洪水などのモニタリングしたデータです。
・追跡とは、気候変動の結果どのようなインパクトを受けているかを明らかにすることで、そのインパクトとは環境、社会や人間、生物多様性、経済コストなどです。
・適用とは、上記を鑑みどのような施策をとっていったら良いかを考える材料を提供することで、例えば土地利用、農業実践、移転、水源利用、人口問題、移住、食糧、社会経済の発展などの課題に貢献しようとしています。


基本方針

SCOの主要な基本方針には以下が挙げられています。
1/ 国際協力は必須:透明性が必要で、どの機関にもオープンな情報提供を行います。またそのため協力・パートナーシップへの努力が不可欠です。
2/ 既にある気候変動対策のプログラムや取組みを補完していきます。例えば世界気象機関(WMO)、地球観測衛星委員会(CEOS)、気象衛星調整会議(CGMS)、コペルニクス気候変動サービス(C3S)などなどです。
3/ 「Best Effort:最善を尽くす」:協力して努力をし、参加機関が持っている能力(専門性やコンピュータの力)を共有します。
4/ オープン・アクセス
5/ 国際レベルと国内レベルでの努力:SCOインターナショナルは全参加機関をまとめてSCOを進めていきますが、参加機関のそれぞれの国でもSCO支部が組織され参加国内でのプロジェクトを進めていく形になっています。例えばフラスペ ニュース「宇宙気候観測機関(SCO)のフランス支部、第2次プロジェクト募集を開始(2020年9月9日付)」はフランス国内支部の話でしたが、フラスペ ニュース「国際レベルでの宇宙気候観測機関(SCO)、第1次SCOラベル認定プロジェクト募集を開始(10月2日付)」はSCOインターナショナルがスタートしたプロジェクトです。

構造

SCOの構造は下の図のようになります。宇宙機関や気候・気象を扱う国際組織はそれぞれ連携し、それらのデータやアプリケーションなどはSCOの本部(図ではSCO HUB)に送られてまとめられます。そして行政、立法機関、研究機関、企業などみんながSCOの情報、アプリケーションを無料で利用できるような形です。

P20201005 SCO structure.jpg
これから

さて、SCOには現在27の宇宙機関や国際組織が参加していますが、 2017年、ワン・プラネット・サミットの前夜に
パリで行われた宇宙機関トップ会議では日本をはじめ他の国の宇宙機関もSCOに賛同していました。しかし日本のJAXAやロスコスモスなどはいまだに参加国のリストに挙がっていません。この点について仏国立宇宙研究センター(CNES)のスタッフで、SCO本部の業務を担当している人に聞いたところ、他の国々の機関の加盟の署名もこれから進められていくだろう、との返答でした。

文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)

No:D20201005-01