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欧州、ギアナ宇宙センターのメンテ、リノヴェーションに約7億6000万ユーロ投入

P20200821 CSG.jpg2020年12月16日、欧州宇宙機関(ESA)と仏国立宇宙研究センター(CNES)は仏領ギアナのギアナ宇宙センター(CSG)のリノヴェーションと現代化に関する契約に署名した。CNESはCSGの所有者でありESAと協力しながらCSGの管理をしている。

このCSGのリノヴェーションと現代化は2019年11月のESA閣僚級会議でESAプログラムとして予算投入が承認されたものである。その予算を使う期間は2020-2024年となっている。

ESAプログラム予算は合計5億600万ユーロで、内訳はCSGが運用可能な状態に保つためのメンテナンス費4億1300万ユーロ、抜本的リノヴェーションの部分の「CSGニュージェネレーション」プログラムに9300万ユーロとなっている。

それに加え、CNESはESAを介さない直接予算としてメンテナンスに2億600万ユーロ、リノヴェーション・現代化に4700万ユーロの合計2億5300万ユーロを出す。ESA分とCNES分を合計するとCSGのメンテナンスとリノヴェーションには7億5900万ユーロが注がれることになる。

今回の運用可能な状態の維持のためのメンテナンスとリノヴェーションの目的には、アリアン6、ヴェガCの運用のための対応や古い技術を用いた施設の刷新などに加え、CSG全体のエコロジー化や、NewSpaceなど新興の打上げミッション・プロバイダらにも最高レベルの質、信頼性、利用可能性を提供し、CSGの魅力度を高めようという項目も挙げられている。
(CSGのエコ化:フラスペ ニュース 2020年11月6日付「ギアナ宇宙センター(CSG)、施設内のエネルギーをエコ化へ」https://www.france-space.com/news/csg-1.html 参照)

前回のCSGの大掛かりなリノヴェーションはアリアン5の導入時期の約25年前とのこと。CSGに関するESAの役割や貢献額はフランス政府とESAとの間の基本枠組み合意にのっとっており、詳細は5年ごとに改定される形になっている。その基本枠組み合意では、フランスも含めたESA加盟国が拠出するESA負担分が3分の2、残りの3分の1がフランスが自身の予算から直接負担する分担になっている。




ソース:CNES、ESA(16/12/2020)

文:浜田ポレ 志津子(フラスペ)

No:N20201217-01